昨日は立春でしたね。
「寒が底を打つ」といいますが、
この寒さもあと数日で底を打って暖かくなっていくのでしょうか。
今日も凍えそうなくらい寒かったです。
「立春朝搾り」というのは、
立春の未明に絞りあがったばかりの生原酒を
瓶詰めし、その日のうちに顧客に届け
みんなで春の到来を祝うというめでたいお酒です。
立春の日、そのめでたい酒を桃山時代や江戸時代、
また日本ばかりでなく、中国、朝鮮でつくられた骨董の酒器で愉しみましょうという
会に行ってきました。
通常、それぞれの銘柄は、それぞれの地元近郊でしか手に入りませんが
社長さんや先生方の奔走のおかげで、
千葉の蔵元が2軒、京都・伏見と長野・伊那と合計4本を
飲み比べることができました。
お酒のあても、それぞれの産地を合わせたもの。
千葉の茹でピーナッツ、京都は「櫻じゃこ」といって、
うまみ油につけた旨辛じゃこ、ちょっとオイリーできりっとした
お味がお酒によく合います。長野県からは「五穀みそおこげ」
濃いめの味付けがこれもよくお酒にあって
どんどんお酒がすすみます。
千葉の「甲子」を頂いた器。
この間お伺いした蔵元さんのお酒です。
そのときはまだタンクの中でいい香りを漂わせていました。
このお酒はとてもフレッシュで軽い。
微炭酸でお口のなかでプチプチはじけて
フルーティな香りも好ましい。4種類のなかで一番好みでした。
私がこのお酒を頂い酒器は
桃山時代の「椿手盃」(瀬戸)
鉄釉が均一にキラキラ輝いていて
とてもそんな古いものとは思いませんでした。
大切に愛でられ使われてきた器なのだと思います。
鉄釉がかかっているのですが、
柔らかいさを感じる器です。
なのでフレッシュな「甲子」にはちょっと合わなかったかも
これは「李朝白磁」
青みがかったこの色が
注がれたお酒をとてもおいしく見せてくれます。
「李朝粉引大盃」
大ぶりでたっぷりした形。
注がれたお酒がまろやかに変化します。
他の方が選んだ器でも飲ませてもらったのですが、
同じお酒なのに、形、素材の違いで
確かに味が変わります。
「天目盃」中国は宋代のもの。
この時代の中国のものはさすがというほかありません。
盃の淵の薄さ、裏の高台の角などが
とてもすっきりしていて都会的です。
この盃で、濃潤辛口を得意とする長野の酒蔵さんが造られた
「信濃錦」の立春朝絞りを飲むと
少しお酒の角がとれた感じがしてとても美味しく飲めました。
私の中でのベストマッチングでした。
「古伊万里花文盃」
景徳鎮の茶杯みたいですね。
この頃の流行りだったんですって。こういう形と文様。
「甲子」にはこの器の固さがちょうどいいと思う。
白洲さんはもちろんのこと、
お店の方々の説明も情熱的で
一つ一つに対する愛情がよく伝わってきました。
そしてご一緒していただいたみなさん。
飲むほどに、酔うほどに、
それぞれのお酒に対する思いや
器についてどんどん盛り上がって来て
みなさんの情熱や感性に
とても刺激を受けた一夜となりました。
「日本酒好き」に悪い人はいない!
今度はぜひ唐津でご一緒したいですね。
あの企画実現してくださ~い!